さて、今回は中学生の課題解説。
3学年分ですが、一気にいきましょう!
(※これらのポイントは、当教室独自の解釈です。私は審査員ではありませんのでご了承を。)
中学1年生
中学1年生の課題は「竿燈妙技」です。
これが難易度ナンバー1か?!
手本を書いていて一番苦労しました!
(※注意!!数字は書くに当たって気をつけたいポイントです。書き順ではありません。)
ポイント1
◎竿、きちんと収める!
竹冠は左右の横線が一直線に並ぶように書きます。
この字はさほど難しくないので、枠内にキッチリ収めます。
横線は大事。基本をしっかりと丁寧に。
簡単な字をおろそかにすると、超目立ちますよ。
ポイント2
◎燈、火を小さく!
これが最大の難所!
「火」を左端に寄せて小さく書きます。あまり上に書かない。上下のまん中くらい・・・かな?
「火」を書くには、点・払いを最初に書きますが、このときのサイズ感というのでしょうか・・・。これがなんとも微妙で・・・。
大きすぎると「登」が書けないし、小さすぎると「火」のまん中の線が通り抜けられません。
そして「登」に移りますが、「火」にピタッと近づけて、ぶつかるくらいの場所から「登」を書き始める。
そして右払い・・・。
「豆」のバランス・・・。
ここはもう書いて書いて感覚を掴むしかないかなー。
ポイント2は、「火」というより「燈」全体です。
ポイント3
◎妙、横に張りたい!
そして「妙」の字。
「女」も「少」も、もっと横に張りたい!ひし形に書きたい!
最終画、「少」の左払いは長すぎないように。
限られたスペースで頑張って!
ポイント4
手偏のたて画よりも「支」のたて画の方が上になるように書きたい。
そして右払いをぶつけずに。
場所の取り合いも考えつつ、字形も考えつつ、各所の左払い・右払いをきっちり出していきたいですね。
見た目よりも書くとかなり難しい課題でした。
中学2年生
中学2年生の課題は「環境美化」です。
「環境」と「美化」のサイズ感に注意したいですね。
(※注意!!数字は書くに当たって気をつけたいポイントです。書き順ではありません。)
ポイント1
◎環、玉編(王)小さく!
こういう字は玉編を小さく書き、旁(つくり)をゆったりと書きます。
ポイント2
◎環、バランス!
つくり(旁)のバランスに要注意。
・横目(四のような形のやつ)
・横棒(一)
・口
・足
と中心が揃うように。
ポイント3
◎境、土偏小さく!
「環」の玉編と同じく、「境」の土偏も小さくします。
ポイント4
◎境、右足をしっかりと!
土偏を小さくかいて、右側にたっぷりスペースを確保します。
土にくっつけるように、立・日と書いていきます。
そして、ひとあし(儿)はビシッと決めたい!
左足は斜めに長く、右足は(できるだけ)横に長く!
ポイント5
◎美、横線短く揃える!
「美」の羊、横線は短めに揃えましょう。
ポイント6
◎美、細く長く!
「美」の大、横線は細く長く、“ふせ”を入れて。
短い線は短くまとめ、長い線とのメリハリを!
ポイント7
◎化、名前のスペースを考えつつ・・・
人偏をどこに置くか?
名前のスペースを考えながらも、なるべく左によせて「ヒ」の右足を長く書けるよう、スペースを取って。
ポイント8
◎化、右足をしっかりと!
スペースをしっかり確保したら、
・短い払い
・たて線
・よこへ
とメリハリつけて。
まっすぐ下へ降りてきて、カーブさせて横へ~丸みをつけながら~はね!、と書いていきましょう。
スムーズに書けるまで何度も練習!
中学3年生
中学3年生の課題は「健康明朗親切」です。
多い!6文字の課題だー!
(※注意!!数字は書くに当たって気をつけたいポイントです。書き順ではありません。)
ポイント1
◎健、右側少しあける!
これも右払いがある場合のお約束。右側を少しあける。
ポイント2
◎健、斜めにおろす!
「健」のなかの・・・これはえんにょうかな?
しんにょうやえんにょうなどをうまく書くコツは、角度にあります。
“右払い”は角度が急なほど出しやすいのです。なので、このえんにょうもしっかりと左上から右下に下がって降りてくるように書きましょう。
角度が浅いと右払いが出にくくなりますよ。
ポイント3
◎康、右払い!
これもお約束。右払いを書くために、少しあけておく。
ポイント4
◎明、足の長さに注意!
たて長の四角が2つ。「月」の足の長さに注意しましょう。
四角い字はしっかりと四角く書きましょう。
ポイント5
◎朗、出すところを出す!
「日」や「口」など、線の終わりを決まった方向に、わずかに出して書くのが習字の「決まりごと」ですが、この「朗」の「良」のような場合もしっかりと出すところを出していきます。
長さをあらかじめ計算しておいてくださいね!
ポイント6・7
◎親、立のすき間!
◎親、立の下のスペース!
ポイント6・7はまとめて解説。
このように横線が並ぶ場合、すき間は均等に空けるのがセオリーですが、実際の所メリハリがなくっていけません。
この「親」の場合、「立」の中は明るくして、「立」の下の「木」の頭は狭くします。
「書」の字だと・・・
「聿」の部分はうんと狭くして横線を並べ、「日」の中はゆったり明るく書きます。
「事」の字だと・・・
「一」と「口」はぎりぎりくっつけますが、「口」のなかは明るくなるように書きます。
そしてまたくっつけて「ヨ」の部分を書きますが、「ヨ」の中は明るくなるように少し余裕を持たせて書きます。
ヨの中明るい方がいいわけで(オヤジギャグ)。
はい、すみませんでした。
まあ、これは実際書いてみれば分かります。お手元にメモ紙とペンがあればどうぞ書いてみて下さい。
ポイント8
◎親、右足しっかりと!
スペースが狭くてもこういう右足はしっかりと横になるまで曲げて書きます。
ポイント9
◎切、横線を並べる!
「七」と「刀」の横線は並べた方が見栄えがいいですね。
そしてやや右上がりにしましょう。
では、ここで問題!
「七」+「刀」で、切ですが、
「八」+「刀」では、なーんだ?
中学生は何かと忙しいとは思いますが、たまには習字を書くのもいいですよ!
それではまた!
ありがとうございました。