ふでれん!

Read Article

才は才能の才。歳は年齢の歳。違いが分かるオトナになろう!

才は才能の才。歳は年齢の歳。違いが分かるオトナになろう!

こんにちは、秋田市のしょうじ書道教室です。

いよいよ本格的に寒くなってきましたね。

うちの教室の発表会もあと1ヶ月後。

来年1月5日から、アトリオンにて開催です。

第14回書闊の会書道展

場所はアトリオン2階、入場無料です。

2018年1月5日13時~17時
2018年1月6日10時~17時
2018年1月7日10時~17時(※県立武道館の書き初めの日)
2018年1月8日10時~16時

よろしくお願いします。

気になる言葉。

さてさて。

次月(1月)のお手本書きを終えましたが。

課題を書いている中で気になる点が。

それは小学3年生の半紙の課題。
IMG_20171128_143517
『万才』

と書きます。

これ、どう思われますか?

万才=万歳=バンザイ

だと思うんですよね。

歳=才

ってことで。

まー・・・

間違いではないというと、間違いではない・・・のかなー。

すんなり納得できませんねー。正直。

万歳三唱!!

そもそも、バンザイって萬歳って書くんですよね。

1万才まで長生きを、というおめでたい言葉。

一般的には「万歳」と表記するほうが多いですねー。

万=萬

とするのを、略字と本字、と区別します。

万が略字で、萬が本字。あるいは正字。

萬という字が難しいし画数も多いので、万という字で書いて略しときますね、というやつ。

万も萬も、数の10000だよ、という意味で、どちらも同じ意味。

万も10000だし、萬も10000だよ、と。

なので万才の万の字のほうは問題なし。全然OK。

問題は「才=歳」としちゃったほう。

才=歳、ではないのです。

これはね、まあ、間違いだよね。

はっきり言って間違い。

才は才能の才、天才の才、能力のこと。

才知に長けた~とか使うほうだから。

んで。

歳は、これはもちろん「年齢」のことで。

それでも子どもなど学生向けに、7才とか、10才とか、書いたりもするけど。

これは子ども向けの使い方。

小学生に「歳」を使えというのは少し難しいし。

それでも

「ぼく、6才」
「弟は〇才です」

みたいなことは作文で使うしで、“歳”の字を書けるまでの「とりあえずの処置」として例外的に認めているんだよね。おそらく。

だから、

『年齢を表すときに、

“歳”という字は少し難しいけどよく使う表現だから、

小学生が漢字で表すときには、

書きやすい“才”という字を当てるようにしてもいいことにしよう』

ということなのだと思うのです。

本当は「才≠歳」だと覚えておかないといけない。

才は当て字。

ちゃんと辞典も。

才と歳、どのくらい違うかというと。

これが才。
IMG_20171128_123517

こっちが歳。
IMG_20171128_123813

時間のある人はお手元の漢和辞典を引くといいですね。

楽しいですよー。漢和辞典。

辞典を引くと分かる。意味も違うし、漢字の元になっている小篆も全然違う。当たり前ですが。

ちなみに私が篆刻の師匠に勧められた漢和辞典がこれなのですが、
IMG_20171128_142026

講談社で出している「新大辞典」。
IMG_20171128_142448

この厚さ。
IMG_20171128_142252
約2.5テング厚。わからんて。

IMG_20171128_142335
9㎝かな。

2800ページくらい。

「まずこの辞典探して買ってこい!!」

と言われて注文してみて驚いたのなんのって。

この厚さ・重さに、定価23,000円!!

ほらamazonでも2マン・・・

2,000円やないかーい!

2万が2,000円・・・(涙)。

それでも、いまやこの辞典は私の宝物。

この辞典を引けばたいていのことは載っている。

熟語の選別(っていうのかな?)は辞典によりけりで、ある言葉・熟語を調べようと思って辞典を引いても載っていない場合があります。

辞典を変えるとみつかる言葉とかがある。

でもこの上田万年さんの辞典で引けば99%載っている!(効果は個人の感想です)

これに載っていない熟語だとすれば、よほど使われない怪しい熟語なのだろう、と判断できます。

万才は非公式。

ということで、

万=萬

は略字として公認されていますが、

才=歳

は非公式で子ども向けなので用途を選びましょう。

習字の課題として、万の字・才の字、を練習させようという目的でこの言葉が選ばれたと思います。

でもね。

今後、バンザイを万才、と表記することが増えてくると、

これはもう公式な略字として認められていくのでしょう。

言葉は時代とともに変化しますから。

いまあなたは時代が変わる瞬間を目撃している!!

・・・のかもしれません。

さて、万才と書いてみよう。

気持ちを切り替えて。

手本を書きましたが。

この“才”の字。

みなさん、どう書きますか?

私、とりあえず自分の中のイメージで書きました。
IMG_20171128_124025
こんなもんかな?と試し書き。

2画目の縦線が特徴的。

グッと左に傾けて書きませんか?
IMG_20171128_123005
呉昌碩のこのイメージ。

それでも一応他の字典で調べてみると・・・。

青本。
IMG_20171128_122833

赤本。
IMG_20171128_122849

茶本。
IMG_20171128_122916

ほぼまっすぐ!

あれ?そうなの?

じゃあ書道字典は?

白黒新字源。
IMG_20171128_122947

梅原唐楷書。
IMG_20171128_123043

あれあれ?そんなに傾けてない・・・かな?ほんの少し。

傾き加減はわずか。控えめです。

これはかなりイメージと離れていました。

もっと傾けて書くイメージでしたが・・・。

簡単な文字でも字典を引かなければいけないのはこういうことが起きるから。

自分の思い込み・イメージが、時間が経つにつれて固まってしまう。

なのでこうして時々軌道修正。

古典の臨書も軌道修正の効果がありますよね。

勉強になりました。

しょうじ書道教室でした!

Return Top