ふでれん!

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小さい教室 その8

小さな教室 その7の続き。

書写と古典

前回は、

書写も算数の宿題も、最低限のことをわかりやすく教えられればいいのではないか?

というお話でした。

「最低限のこと」というのが何かというと、書写であれば、

文字を、

正しく書く
整えて書く

ということです。

これは確か文部科学省の学習指導要領にもそういったことが書かれています。

これさえ押さえていれば(要勉強ですが)、親が、資格のない素人が書写を教えたっていいのです。

ということで、結論。

書写を先にやってもいい

と私はこう思います。

書写に基づいた、正しく整った字を、硬筆と毛筆の両方で書ける。
これができるのであれば10年勉強せずとも、古典の臨書をやっていなくとも、子供に書写を教えてもいいでしょう。

というより、書道の入り口である「古典の臨書」の前に、文部科学省で決めた文字の書き方である「書写」を一番初めに学ぶという順番も“アリ”ではないでしょうか?

硬筆と毛筆

さあ、書道の資格なんてなくたって、私は(できれば今すぐにでも)子供に習字を教えたいの!という方。

どうやって勉強していきましょうか?

書写には、硬筆と毛筆があります。

硬筆とは、鉛筆書きのこと。
硬筆であれば、書写字典で調べれば、正しく整った字が(練習すれば)誰でも書けるようになるでしょう。

問題なのは、毛筆。
いくら正しく整った字を書写字典で調べて覚えて、身につけたとしても、毛筆で書くとなるととたんに難しくなります。

まずは用具。
筆、紙、墨液・・・。

たくさん種類があります。どれを使えばいいのでしょう。
どういう紙が書きやすいの?筆は?墨は?

書き方は?筆の持ち方は?
とめ・はね・はらい。どう動かすの?
道具の手入れの仕方は?どこで買うの?

その前に決めておくのが・・・

独学でやってみる?
それとも、どこかの先生につく?

独学?ひとりでできるもん?!

独学でも、できないこともないとは思います。

子供の頃に習字教室に通ってた人であれば、書き方はだいたい検討がつくかもしれません。
参考になる本も売っているでしょう。

道具のことはどうでしょう?
墨ひとつとっても種類があります。

半紙だって書きやすいものと書きにくいもの。

筆は?何円くらいのものを使わせますか?
どこで買いますか?ホームセンター?

道具のお手入れの方法は?

独学でやってみるか!

独学のいいところは、自分のペースで進められるところです。

書写の文字の研究も、道具の選択も、自分で自由にやることができます。
自分の好みを大いに出せます。

例えば、何か習字のテキストを選ぶとしましょう。

そのテキストの毛筆の文字は、とある高名な先生が書いています。

また別のテキストを手に取ります。こちらはさっきと違う高名な先生の字。

「こっちの字より、こっちかなー」
と分からないなりにも自分の好みで選ぶことができます。

同じ字を書いていても、書く人によって雰囲気が変わってきます。
これを「書風」といいますが、独学ではそこらへんも自分の好みで決められます。

なんならテキストを4・5冊買って、ひととおり自分で練習してみてから選んだっていいのです。
ひとりでコツコツ研究するのは楽しいものです。

やはり厳しいか?

反面、独学はよっぽど意思が強くなければ勉強が進みません。
そして、情報源が少ないので手間が多くかかります。

分からないことを試行錯誤して進めていくわけですから、当然回り道も多くなります。

道具や材料を買うにしても、文房具屋やホームセンターで、いつでも手に入る物の中から選ばないといけません。
買うのに手間取ったり、在庫が切れやすいような物はできれば選びたくありませんね。

半紙を数種類買って、書きやすいものを選び、
墨を数種類買って、色やにじみ具合を見て、
筆を数種類買って、書きやすく買いやすいものを選び、

最良の組み合わせをみつけ、

数種類のテキストを見て、書いていく・・・

回り道というのは時として悪いことではありません。

この場合、道具の知識が身に付きますし、自分で全て買って調べて研究して、苦労した分忘れることもないでしょう。

プライスレス。お金では買えない経験を積むことができます。
人に善し悪しを説明することだって出来るでしょう。

何をそろえる?

独学の場合、何を買えばいいでしょうか?

・半紙数種
・墨数種
・大筆小筆数種
(お店で手に入るものには限りがありますが)

・書写字典
・書道字典(後述)

・テキスト数種

・下敷き(罫線入り)
・文鎮
・硯

こんなところでしょうか?

昔使った書道バッグがあれば、わざわざ買うこともないものもありますね。

独学をスタートするならこんな感じでしょうか?
時間に余裕がある人に向いているでしょうね。

さて次は、独学ではなくどこかの先生について勉強の場合。

独学でやる!とすぐには決めずに、もう少しおつきあい下さい。
こちらもいいところと悪いところがありますよね。

書道の歴史の話までいきませんでした。
いつできるのやら・・・。続く!

小さな教室 その9へ。

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