ふでれん!

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硬筆練習の新しい方法を導入してみます

硬筆練習の新しい方法を導入してみます

うちの書道教室では硬筆+毛筆の両方をやっていますが、やり方は至極一般的。
毎月の課題があり、それを練習していく。

1ヶ月に3~4回の稽古日があり、硬筆・毛筆ともその月の課題が決まっており、練習→清書、と仕上げていきます。

ここにきて少し思うところがあり、ちょっと違うことをやってみようと決めました。
硬筆・毛筆とも、あるアイデアを思いついたのですが、まずは硬筆課題から今までと違うやり方を試してみることにしました。

まだ習っていないから

教室の子ども達とのやりとりでよくあるのですが、

『せんせー!この字まだ習ってないよ-!』
『だってまだ習ってないから読めなーい!!』

みたいなやりとり。

私はこの言葉が出てくると、一言も二言も言いたくなってしまうのですが・・・。

『だってまだ習ってないから!』
むむむむむ・・・。

いろんな漢字、いろんな言葉

義務教育の漢字学習には、学校の授業で習う「学習漢字」と、それ以外の「常用漢字」というものがあります。

学習漢字というのは、その名の通り授業で学習する漢字。

常用漢字というのは、世間一般的によく使われる漢字。

このようにとらえればいいでしょう。

そして、私が一言二言と言いたくなる所は、

『習う学年や習う順書に関係なく、いろんな漢字を覚えようよ!!』

ということなのです。

なにも大げさなことではありません。

普段の生活を創造してください。

お父さんお母さんとの会話。

テレビから流れてくる出演者の台詞。

ニュースで取り上げられる話題。

新聞や雑誌に載っている記事。

マンガのセリフ。

絵本や童話の文章。

事典や図鑑に出てくる説明。

私達は膨大な言葉に囲まれて暮らしています。

だんだん見えてきた!

大人になった私達にとっては、“分からない言葉”が出てきても、その漢字の見た目や前後の文脈から推理したりできます。

私の想像ですが、子どもはたぶんこんな感じ。

???なに???

???あ!??わかる!!?????ん??

???・・・モヤモヤ・・・??えーと???ああ!!??・・・

?????・・・?????????・・・????????

こんな状態なんだと思うのです。

これが、新しい言葉が増えていく、漢字が読めてくると、

モヤモヤしたところがだんだん明るくなっていく。

目のピントが合ってくる。

だんだん見えてきた!

はっきりしてきたぞ!!

先取り!新しい漢字!

話は最初に戻って。

子ども達が『まだ習っていないから~』と言うのであれば。

じゃあ初めから“まだ習ってない漢字”を練習しようじゃないか!!

という訳なのです。

冒頭の写真を見て頂けるとわかりますが、新しい硬筆の課題の写真です。

例えば3年生手本であれば、4年生で習う漢字が入っている熟語を練習する。
4年生手本であれば、5年生で習う漢字が入っている熟語を練習する。

その子どもが初めて見るであろう言葉を、最初から正しい書き順正しい形で覚えさせてしまおう!という作戦です。

熟語の選び方は、あまり難しすぎず、そして言葉は知ってるだろうけど漢字はどうかな?というあたりを心掛けました。

これをいつもの課題に追加して2種類の課題を1ヶ月で練習していく。
1年間12ヶ月で40個程度ですが、先取り学習も含んだ新しいやり方です。

言葉は多い方が楽しいでしょう

漢字は記号にあらず。

「新しい漢字をひとつ覚えたよ」

だけでは、あまり役に立ちません。

他の漢字と組み合わせ、熟語となり言葉となっていきます。

その漢字が持つ意味やイメージを頭の中でふくらませ、言葉として使っていきます。

言葉を使う、というと曖昧ですが、それはこの世界を広げる意味を持ちます。

新しい言葉は新しい世界。
世界が広がるのです。

小学生は毎日の家庭学習が大変だとは思います。

そうであれば、ほんの少しの先取り学習も結果として楽をさせてあげられるのではないかなあと思います。

今までやっていた課題を練習する枚数が少なくなるので、「段級が上がっていく」ほうは少し手落ちになるかもしれませんが、まずは試験的に。

7月課題(6/20スタート)から始まります。

毛筆の方のアイデアは準備に時間がかかりそう。準備ができ次第取り入れてみたいと思います。

よろしくお願い致します。
ありがとうございました。

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