ふでれん!

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小さい教室 その9

小さな教室 その8の続き。

門を叩く!

全て自分で自由に選べるのが独学のメリットでありデメリットでもあります。

さて、それではどこかの書道の先生についた場合はどうでしょう。
こちらにもメリット・デメリットはありますよね。

一番のメリットはやはり、

何でも詳しく教えてくれる

ということでしょう。当たり前ですけど。

紙・墨・筆の使いやすい物はこれ、テキストはこれ、書道字典はこれ、

筆の扱い方はこう、手入れの仕方はこうやって・・・

ここまで覚えたら次はここ、ここのやり方はこう。ちょっとしたコツも教えてくれます。

あなたが学びやすいようにカリキュラムも考えてくれるでしょう。

「家ではこのくらい練習してください」と進み具合も見てくれます。

お月謝を納めることで、あなたも「元を取らなきゃ!早く覚えなきゃ!」と頑張ることでしょう。

毎月数回のお稽古に出ねばなりませんから、確実に一歩一歩前に進みます。

そこの先生には他の生徒さんもいて、自分と同じ目標の人もいるでしょう。

あの人はあんなに上手だ!
あんなにたくさん書いているんだ!
先生はこう教えてくれる!わかりやすい!

同じ教室の生徒さん同士は良き仲間、書友です。
愚痴や悩みを聞いてくれ、励みにもなります。
書道・習字のことを抜きにした仲良しさんもみつかるかもしれません。

独学と比べてみると

独学でも、常に向上心を持ち、細かいところまで自分で突っ込んで研究・勉強していく気持ちがあれば、「書写を教える」ことを身につけることはできると思います。

ただ、「井の中の蛙」になってしまわないかどうか・・・。

「このくらい書ければいいか」と低いレベルで満足してしまい、その後の向上がみられない・・・。
これはとても怖いことです。

始めたばかりは誰でも稚拙なお手本を書くのでしょう。
初めはそれでもいいと思います。
書道塾を開いた後も、常に向上心を持ち、研究・勉強していく姿勢があればたとえ独学でも技術は向上していきます。

私は今でも展覧会に足を運び、賞を取っている子供達の作品を見て、その背後にあるどちらかの先生が書いた手本を想像します。

いい手本なんだろうなあーと唸るような子供の作品。
よく見えるポイントはなんだろう?どう指導しているだろうか?

頭の中でグルグルと考えます。
イメージを膨らませながら自分でも同じ手本を書いてみたり。
その文字を字典で調べ直してみたり。他の書道字典をあたってみたり。

どこかの先生につきそこの教室に通うようになれば、自分の世間の狭さを痛感します。

5枚10枚書いて満足していた自分。
いえいえ、上手な人は何十枚という単位で書いている・・・!

あちらの若い人は100枚書いたんだって!!

とか。
目から鱗の連続でしょう。

世間が広がる、世界が広がる、これが先生について書を習うことの最大のメリット。

通い始めると、いろいろありますよね

もちろんデメリットもあります。

1.近くに良い先生がいない。または見つからない。
2.近くに先生がいるが、その先生の書いている字が好きになれない。
3.その先生(または所属する会)の方針で、書写だけを教えることはしていない。
4.その先生(または所属する会)の方針で、師範位を取らないと書道塾を開けない。
5.師範位を取るのに10年かかる。
6.書道教室に通っている生徒さん同士の人間関係。
7.展覧会・公募展に出品するよう迫られる。
8.毎月のお稽古が受け身になってしまい、身に付かない。

こんなところでしょうか?

なんか嫌な雰囲気が出てしまっていますね。
自分で書いていて落ち込みそうです・・・。

堅苦しいイメージですが(実際堅苦しいかも)、あまり警戒しないでほしいです・・・。

師匠と弟子の関係になりますから、先生のいうことは基本的に絶対なのです。
(各先生方、多少の差はありますが)

しかしここで書いたことは、あくまで

書写だけ習いたいと思っている人

にとってのデメリットであることを忘れないでくださいね。

やってみなけりゃわからない!

それぞれのデメリットを見てみましょう。

>1.近くに良い先生がいない。または見つからない。
>2.近くに先生がいるが、その先生の書いている字が好きになれない。

1.はともかくとして、2.とか、もう、どうしようもないですね。
こちらの勉強不足としか言えません・・・。精進します。

もし、遠くに良い先生が見つかったら、通信教育で入会できないか相談してみて下さい。
普段は通信教育で勉強し、数ヶ月に一度直接会って添削指導してもらう、とか。

実際に会ってみて、人柄も良く書いている字も良い、そんな先生に巡り会えるといいですね。

>3.その先生(または所属する会)の方針で、書写だけを教えることはしていない。
>4.その先生(または所属する会)の方針で、師範位を取らないと書道塾を開けない。
>5.師範位を取るのに10年かかる。

これもまた、手の打ちようがないというか。微妙な所です。

その先生にもさらに上の先生がいらっしゃるわけです。先生の先生です。
一番上の先生から看板を頂いて〇〇会を名乗り、書道塾を開いているわけですから、その一番上の先生の顔に泥を塗るわけにはいきません。

なので「ダメなものはダメ」といわれてもしかたありません。
そこの会の方針でダメであればやってはいけないのです。

中途半端なものは世に出せない。そういう世界なのです。

※ちなみに当教室では、競書誌と並行して2・3年書写の勉強をしてもらい、当教室の主幹が認めれば(条件付きで)教室を開いてもいいことにしています。

※条件付きというのは、
「自分で教室を開いた後も当会に所属し、書写の指導を受ける」
「子供達も競書誌を取り、当会に所属して頂く」
というものです。

どこの先生方も自分の師匠を尊敬し、誇りを持って教えているのです。
品質保証のようなものなのです。

「書道」を習いたい人にとっては、こういうシステムに乗っかったほうが早く上達しますのでオススメしますが、「書写だけ」習いたい人にはデメリットになり得ますね。ご理解を。

>6.書道教室に通っている生徒さん同士の人間関係。

これは入ってみないと分からない部分。
仲間がいる反面、そりが合わない人もいるかも。

そもそも人間関係が煩わしいと感じる人は、「習字の先生」には向かないかも、です。

>7.展覧会・公募展に出品するよう迫られる。

これも、「書道」を習っている人にとってはデメリットではないので、やらされる可能性は大です。
「書写だけ」の人にとっては、やらなくてもいいかも。

もちろんやったほうが上達しますけどね。

>8.毎月のお稽古が受け身になってしまい、身に付かない。

これはもう自分との戦いというか。

用意された分だけやって安心してしまい。
慣れてくると惰性で続け・・・。
いまひとつ身に付かず・・・。
「自分の教室を開くんだ!」という情熱もいつしか消え失せ・・・。

あら、〇〇さん、最近コドモの手本書いてる?などと先生に突っ込まれたり・・・。

本人のやる気次第ですよね。当たり前ですけど。

家に帰って勉強し、自分で調べ、書いて、翌週の稽古で質問をし、また家に帰って勉強・・・

お金(お月謝)を生かすも殺すも、自分次第。
他の習い事も。
何事も。

お金はかかるの?

ここで独学と先生につくことの比較で、どちらがお金がかかるのか?という話には意識的に触れませんでした。

なぜなら、どちらにせよお金はかかるからです。

独学の方がお金がかからないようなイメージですが、回り道が多い分決して安くすむというものでもないと思われます。

前に述べたように、道具にしろ、テキストにしろ、字典にしろ、独学は全て自分で選ばないといけません。

自然と購入するものも多くなるでしょう。

関係ないものや粗悪なものも、買ってみて理解するという感じになります。

買って失敗した!と思うと今度は買うことに躊躇して。
本当に必要なものにはたどり着けず。
そして疑問はいつまでも晴れず・・・。(という可能性も)

独学は先生につくよりも、理解も身に付く速さも遅いでしょうから、余計お金がかかるかもしれません。
月日が経つのは早いです。

一方、先生について書写を勉強していけば、初めてすぐの頃は「あれとこれとこれを買って」「これはこのくらい買っておいて」「それが終わったらこれね」と次々と本やら道具やらを買わされるかもしれません。

しかし、効率よく最短距離で進んでいるのですから、当たり前といえば当たり前。
かえってお金も時間もかからないのかもしれません。

毎月のお月謝を払う。

お稽古は休みがち、自主的に勉強もしない、ではそのお月謝は割高に感じ。

お稽古には必ず出て、買った道具はボロボロになるまで使い倒せば、お月謝は割安に感じるでしょう。

結論!

私の個人的な結論としましては、

どこかの先生についてください

ということです。

私本人が書道塾をやっているので当たり前と言えば当たり前ですが。

条件が揃い、良い先生に巡り会えれば、あなたを一番に応援してくれますし、労をいとわずサポートしてくれるでしょう。

気前のいい先生だと、

「あれもこれも持って行け!支払い?あとでいい!まず勉強しろ!」
「ほら紙も2箱やるから全部書け!」
「手本はこれとこれとこれと・・・また違うのあとで書いてやるからまず書いてこい!」

こんなノリの先生も多いと思います。

本当にこの世界は後継者不足で。

やる気のある方、お待ちしております。
(歴史の話はまだ・・・のようです)

小さな教室 その10【完結】へ。

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