ふでれん!

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4-1.筆の洗い方

4-1.筆の洗い方

実績&ポートフォリオ

しょうじ書道教室

練習が終わってすずりに墨液が残っていたら墨液の容器にすいとって戻しましょう。(※注意事項をよく読んでください)

すずりはすいとり紙できれいにふいて下さいね。

しっかり練習したら、しっかり洗う!筆の洗い方は大事です。面倒がらずに洗いましょう。

どのくらいで洗うの?

いったい、筆は使った後どのくらいほっといていいのでしょうか?

答えは、「すぐに洗う」です。

基本的には使い終わったあとすぐに洗いましょう。
日にちが経てば経つほど墨がなかなか落ちずに面倒です。

ただ、「ちょくちょく書くんだけど・・・」という方はすぐに洗わなくても大丈夫。

目安は10日です。
最初に墨を付けてから10日経ったら筆を洗いましょう。最初に墨をつけてそれからの10日間、その間に書いても書かなくても10日経ったら洗います。

例えば、1週間のうちで3日くらいは書くんです、という人は10日以内なのですぐに洗わなくてもいいでしょう。
<画像
書かない10日の間は筆が乾燥しないように、必ず筆にキャップやビニール袋をかぶせておきます。

どこで洗う?

家庭で筆を洗うのがひと苦労・・・。
うちの教室では稽古場に洗い場がちゃんとあるのでそこで筆を洗います。
専用の洗い場なので墨で黒くなっても大丈夫。

しかし家庭ではどこで洗えばいいのでしょうか?

難しい問題です。誰だって自宅は汚したくありません。
賃貸であればなおさらです。

強いてあげればお風呂場でしょうか?

あとは外に園芸用の蛇口はないでしょうか?
(外だと北海道・東北の方は冬場は使えませんが・・・)

絶対に汚れない方法は無いと思います。

根元をしっかり洗いましょう!

どこの水道で洗うかはよく考えて決めて下さい。やっぱりお風呂場でしょうか?
場所が決まったら、洗いましょう。

何も考えずにジャブジャブ洗うよりは周りが汚れず、いくらかマシ。。。という方法をご紹介します。(自己責任でお願いします)

洗う前のひと手間

まず洗う前に、使い終わった筆の墨をふきとりましょう。すいとり紙を数枚準備してください。

すいとり紙を用意します

すいとり紙を用意します


筆の墨をできるだけすいとり紙に吸わせます。これをやらずに洗うのと、やってから洗うのとではけっこう差が出ます。ふかずに洗うと時間がかかりますよ。
ついでに小筆も

ついでに小筆も


大筆を洗うついでに小筆も一緒にやっていきます。
大筆の墨をふきとります

大筆の墨をふきとります


大筆の墨をふきとります。筆の毛がブサブサにならないように一定の方向を守って。筆をそろえるときと同じです
小筆もやります

小筆もやります


ついでに小筆もやります。

洗う前のひと手間はこれぐらいでOK。
さて洗い場で洗います。ゴム手袋があるといいですね。

前洗い

始めに“前洗い”、ざっくりと墨を落としていきます。

  1. 洗い場に行き、底が安定している広口のビンを用意します。(うちの教室では陶器の筆筒(筆たて)でやっています
    広口の安定しているものがいいでしょう

    広口の安定しているものがいいでしょう

  2. ビンに水をためます
    水をためます

    水をためます

  3. ビンの中に筆を入れ、ビンの底へごく軽くトントントン・・・と筆の毛をあてていきます
    軽くトントントン・・・

    軽くトントントン・・・

  4. 10回~20回くらいトントントンとやります。
  5. 水を換えてもう一度やります

2回目のトントントンの後の水の色

2回目のトントントンの後の水の色


2回やるとこのくらいの色になります。黒い色ですが透き通っています。

しっかりと洗います

本格的に墨を落としていきます。流水で洗います。

水を細く出します

水を細く出します


水道の水を細く出していて下さい。筆の太さの3分の1くらいの水の量です。

  1. 左手はパー、右手に筆を持ってください
    左手はパー、右手に筆

    左手はパー、右手に筆

  2. 左手の手のひら、小指のつけ根あたりに毛の部分を置きます
    小指のところに筆をおきます

    小指のところに筆をおきます

  3. 筆の毛の根元、1センチくらい覗かせておいて左手を小指から握っていきます
    筆の根元を覗かせてにぎります

    筆の根元を覗かせてにぎります

  4. このとき毛がキュッとまとまるように握ってください
  5. ゆっくり右手を動かします。グニグニグニ・・・と腰を振るように動かします
    軽くグニグニやります

    軽くグニグニやります

  6. ごく軽い力で動かして下さい。軽い力でやったほうが毛を痛めません
  7. 10回位グニグニとやったら、左手を広げて手のひらの上で転がすように流水にあててください
    手のひらの上で転がしながらすすぎます

    手のひらの上で転がしながらすすぎます

  8. 再び根元をグニグニして、流水にあてます
  9. 3回くらい繰り返しましょう

毛の根元をもみ洗いするような感じです。
根元にたまっている墨をいかに落とすかがポイントです。

3・4回繰り返した後のすすぎです

3・4回繰り返した後のすすぎです


3回くらい繰り返せば、毛から流れ出てくる墨のすじも細くなり墨の色がだんだんと薄くなってきます。色がグレーになれば洗い方はもう十分でしょう。

写真ではけっこう力が入っているように見えるかもしれませんが、力は入れずにグニグニと動かしてください。

小筆も洗ってみましょう

小筆は「洗わずにふきとる」という考えが定説のようです。

確かに書き味が変わる可能性がある“水洗い”は緻密な字を書く小筆には向いていないのかもしれません。とくに繊細な「かな」を書く方は小筆の手入れには慎重になるのでしょう。

しかしここは初心者用のサイト。

対象は小学生や初心者ですし、書く字も自分の名前などを想定しています。
ですので書き味の変化よりも筆を長持ちさせる方に重きを置いています。

ですので小筆も大筆と同じようにしっかりと水洗いをします。
洗い方は大筆と同じです。

すいとり紙でふきとり、ためた水にトントントン。

毛をつまんでグニグニ

毛をつまんでグニグニ


筆の毛をつまんでグニグニグニ。
小筆をすすいでいます

小筆をすすいでいます


すすいで、またグニグニグニ。これを繰り返します。

洗うときの注意点

慣れてくると筆1本、5~10分くらいで洗えます。

きれいになりました

きれいになりました


洗い終わった筆は毛の形を整え、何枚か重ねたすいとり紙や新聞紙の上に置いておきましょう。
丸2日くらいで乾きます。

力加減が難しいかもしれません。いきなり大事な筆を洗わないで、安い筆・セットに入っている毛の短い筆などで試して下さい。

自己責任でお願いします。

しっかり洗えば、ふくらんだり割れたりするのを防ぎます。
根元をきちんと洗った筆は、よい書き心地も続きますし筆の寿命も長いです。

楽しく書くには、しっかり洗った筆を毎回使いましょう!

根元の墨までしっかり落ちています

根元の墨までしっかり落ちています


道具を大事にする人は上達が早いといいます。
自分の筆、丁寧にかわいがってください。

さて次回は筆のとりかえについてです。
4-2.筆のとりかえ
書きにくくなったら筆は取り替えなくてはいけません。しっかり洗っていても筆は消耗し悪くなります。どのくらいで変えるのでしょうか?ご覧下さい。

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