こんにちは、秋田市のしょうじ書道教室です。
大人のみなさま、大事な大筆、ちゃんとお手入れしていますか?
筆の持つところと毛のところのつなぎ目
筆の持つところ、棒のところを“筆管”と呼びます。
この筆管が、定期的に筆を洗っていないと割れることがあります。
筆の毛(穂、といいます)の根元・つなぎ目のところ、
毛をまとめて、押さえているところなのですが…、
分かりにくいですかね。
ここですよ、ここ。
私は、
「新品なのにもう割れた!」
という経験もあります。
まあ、これはいわゆる“当たりが悪かった”のだと思いますが。
安くないものなので修理しようか!
今回の筆は、
・けっこう使い込んでいる
・年数も経っている
・あまり洗ってもいない
という、筆が悪くなる条件を満たしていて、
こうなると筆の腰が弱くなるので普通だったら「捨てようかなー」という筆でした。
それでも条幅も書けるサイズの大筆といえば1本5000円とかしますので、
「ダメモトで修理してみますか!」
ということに。
ちなみに大人の生徒さんの所有物です。
書き味が変わるでしょうが、やるだけやってみました。
現状確認
まず、いつも通り筆をよーく洗います。
とくに根本をもみ洗いします。
その後、現状確認すると、
割れた部分に穂の一部が入り込んでしまってます。
まずはこれを引っ込めてみましょう。
割れたところに爪楊枝を刺し、割れ目を広げておき、
そのまま糸で縛りました。
毛の挟み込みはこれでOK。
次に、
この割れたところを閉じようとしましたが…
クリップではさんでも閉じません!
こういうのって戻らないんですねー。へー。
仕方ないので、このまま、
糸で縛り、
これ以上広がらないように、瞬間接着剤を塗りたくりました。
糸はごく普通のミシン糸。
瞬間接着剤は水に強いタイプのものです。
じゃん。
これで完全に乾かして修理は完了。
まとめ
もちろん新品同様とまではいきませんが、
糸で縛ってある分前より書きやすくなったんじゃないかなー。
こんなことをしているから筆がなかなか売れません(笑)。
これだけ手間をかけてるんだから修理代金もらおうかなー(笑)
筆の値段の1割とか。
5000円の筆なら500円。
3000円の筆なら300円。
捨てるはずだった筆を、まあまあそこそこ使えるように修理したのですから、
このくらい頂いてもバチは当たらないのでは?(笑)
お金取らないと、みんな自分で手入れしないしな…。
大人の生徒さんから、
「筆洗ってもらえますか?」
と言われればついつい洗ってあげてしまいますし。
子どもたちの筆を洗っているので、そんなに手間じゃあないんですよね…。
なんでもやってあげるのも良し悪しですね…。
腕の良い職人さんは自分の道具の手入れを怠らないと聞きます。
書道も同じ。
道具を大事にする人は上手になります!
自分の道具を大切に!
しょうじ書道教室でした!