こんにちは、秋田市のしょうじ書道教室です。
只今さきがけ展の締めくくりの稽古!盛り上がっておりますよ!(?)
あの人はどうやって書いているのか。
さて。条幅作品の制作論・制作方法は書く人によって様々かと思います。
先頭を走り続ける上のエラい先生方の場合、ご自分の作品を制作する際の、
・紙、墨、筆の種類
・書き方
・動かし方
このあたりはもちろん企業秘密なんだそうで、
周りの弟子たちは、
師匠の書き上がった作品をよくよく観察しては、あーでもないこーでもないと論議を交わしたり、
一部の者だけに許された
“師匠自身の作品制作時のお手伝い係”
に指名された、ごく近しい弟子からなんとか情報を聞き出そうとしたり、
極秘情報を手に入れるために躍起になっているんだそうです。ホンマかいな。
確かに上の先生方が“どうやって書いているか?”ってのは興味のあるところではあります。
同じ道具で同じようにやってみても、同じには書けないのでしょうけど。
私の場合。
さて私の条幅の書き方を大公開したいと思います。大げさ。
前回に引き続き、
ニハチ縦、行草体、3行モノ、という前提です。
私も年数を重ねてきて、「ニハチなんてお茶の子さいさいじゃ〜」とまではいきませんが、
無難にサクッとまとめるくらいには書けるようになりました。
どこまで参考になるかは分かりませんが大公開です。私の場合、企業秘密でもなんでもないしなー。
使用道具。
・紙→台湾画仙紙
・墨→良寛(液体)&固形墨+水
・筆→光雲堂、淡雲3号(兼毫筆)
という感じ。
墨は、ときに濃く磨ったり、水で薄めたりと気分で変えています。
紙を寝かせてから使ったりはしていません。
墨もいつも新しいものを、硯も使い終わるときれいに洗っています。
筆も洗ったものを使っています。
紙墨筆いずれも新しめのものを使用しています。いつも新鮮フレッシュ派(?)。
…と、このようにいちいち「新しい」「洗っている」と書くということは、
「洗わず使う派」もいるということ。いろいろですねー。
書き方。
書く速さは
やや速く書いたほうがいい
と思っています。
速く書いたほうが、
・流れが出る
・線が強く出る
からです。モタモタ書かない。
速く書くと線が弱くなるという人は筆圧のコントロールができていないということ。
筆圧をかけ続けつつ動かす。
速く書くためには。
速く書くにはどうしたらいいかというと、
その字をどう書くか覚えておかないといけない。
日頃からこまめに字典を引いて、
・何の字を書いているか
・どう崩しているか
を頭に入れてから書きはじめます。
あやふやなままでは書けません。自分の中で納得してから書きます。
書く速さの目安。
ニハチ1枚は15〜20分ほどで書ききるのが目安。
私が1枚書く時間を測ったら、
12.25分
でした。これはちょっと速すぎかなー。
行草体3行モノ56文字です。
1枚書くのに30分以上かかっている人は、もう少しテンポを上げて書いたほうがいいと思います。
・腕が動いていない
・どう書くか頭に入っていない
と書くスピードは上がりません。
速く書くメリットデメリット。
メリット。
・活きた線が出る
・流れが出る
・動きが出る
・枚数が書けるので試行錯誤できる
デメリット。
・雑になる
・ワンパターンになる
・筆圧が抜けて線が軽くなる
速く書けば書くほど良いとは言いませんが、
多少はスピードに乗って書けるようにしておかないといけません。
緩急の急。急があるから緩が引き立つ。
まとめ。
私の条幅制作方法でした。
当たり前ですけど人それぞれ違うんじゃないのかなーと思います。
どれが正解ということではなく、
各々が試行錯誤した末に見出した方法。
もちろん、どういう作品を作りたいか?で道具や書き方も変わってくるでしょうし、
こういう情報がいろいろ出てくると面白いんですけどね。
情報お待ちしております!しょうじ書道教室でした!!