こんにちは。秋田市のしょうじ書道教室です。
2つのマンガを読みました。
まったくタイプの違う2種類の男たち。
2人の夫。
俳人・種田山頭火(たねださんとうか)と、
マンガ家・劔樹人(つるぎみきと)。
種田山頭火。
種田山頭火は知る人ぞ知る俳句の方。
書道の、
「漢字かな交じり書」の題材になることも多いですね。
自由律俳句。俳句に入るんですね、あれ。なんともいえない魅力的な句。
いかなる境地で出たであろう句の数々。書道関係でなくともファンが多い。
この山頭火のマンガを読んだのです。
いわしげ孝は柔道漫画「花マル伝」の人。花マルも面白かった。
読んでいると居たたまれない気持ちになってくる。とくに妻子を持つ人なら寒気がするんじゃないだろうか。
人はいつだってこうなる可能性を含んでいる。数%なりとも。
自ら望まなくとも、こうなる可能性は日常的に潜んでいるはずだ。
読んでいるだけで肝が冷えてくる。
そして自分がそうはならないという保証もないだろう。
人生はちょっとしたことで歯車がかみ合わなくなる。
それでも山頭火には俳句があった。「言葉を紡ぐ」ことが支えになった。それだけでも救いだ。
支えも何もない光明の見えない人だっていくらでもいるだろう。
救いようのない○○と烙印を押されてしまう。山頭火には俳句があった。
「山頭火ってひどい人間だよなー!!」というのは簡単。
もちろん本人が悪いのだと思う。しかし。「悪いことをしてやろう」という犯罪者ではない。どうしたってそうなってしまう弱い人たちだっているだろう。
マンガだからエンターテイメントに仕立てないといけない。半分はフィクションだろう。しかしもう半分は綿密な取材に基づいているはずだ。
事実はそう違っていなかったんじゃないか。ああ私はこの話が怖くなった。
あまりに寒気がするので偶然手にしたのがもう1つのマンガ。劔さんのマンガだ。
山頭火のマンガはテーマがテーマだけにあまり売れなかったようで、古本もめちゃ少なくて秋田で探したって無いんだ。
マケプレでややプレミア価格で購入した。全5巻で5,500で購入。今見たら7,000円とかになってる。
暖かい何かがほしい。ということでもう一つ。
劔樹人。
一方、剣さんのマンガはKindleセール中で11円で買った(Kindle定価は880円)。この時点でもうほっこりとする。11円。
こちらのマンガも「稼ぐ奥さんと、(精神的な不安定もあり)稼げないダンナ」の日常マンガとなっている。この「稼げないダンナ」本人が日常をマンガにしている。
稼ぐ奥さんは、稼ぐかわりに日常の身の回りのことが壊滅的にできないようで、それもまたほほえましい。
稼げないダンナさんは自分を受け入れてくれている奥さんのために、ほんの少しの自分の仕事と、一切の家事を日々、甲斐甲斐しくこなしていくのだが、
その手際ははっきりいって良いとはいえない。これも精神的な不安定さからきているようで。
それでも「稼がなきゃ・・・」という焦りがない分、手際が悪いなりに楽しんで家事をやっているように見える。
このあたり、山頭火を読んで寒くなった心が暖かくなる。
劔さんは自分の弱さを受け入れて楽しんでいるように見える。とても現代的で、今の時代に必要な考え方に思える。
まとめ。
もがいて苦しんで珠のような俳句を生み出した山頭火と、
もがくことすら楽しんで、愛する人と3人で(お子さんが生まれている)生活する劔さん。
これを2つ同時に読むことでなお味わいが出る。
というより山頭火だけ読むと心が冷えてざわついたままになるし、
劔さんの日常マンガだけ読むと「オレもまあこんなもんでいっか」とだらけてしまう。
山頭火のマンガを描いた「いわしげ孝」さんはもう逝去されていて驚いた。もっと評価されてもいいマンガ家だと思う。他の作品もきっと面白いんだろう。
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しょうじ書道教室でした!