こんにちは、秋田市のしょうじ書道教室です。
連載第2回でございます。
前回の記事はこちら。
【連載】成長とともに移り変わる書のダイナミクス【連載その1】幼児期編。
幼児期において、
まだまだ「書く」機能は発達途中。
「握って」「離して」、
小さなモノをつまむ・ひろう、
ようになったくらいの手指の機能。
はさみでチョキチョキ紙を切る、なんてのも見ていて少し怖いかな。
子どもは個人差が大きいので、
その子によってはこのくらいの年齢でも、
・包丁使ったり
・カッター使ったり
特に女の子は器用なので、
細い色鉛筆をつまんで持ち(正しい持ち方)、枠からはみ出さずにきれいに塗り絵する
なんてしているかもしれません。
まあ多くの子どもがまだそんなに手指が器用では無い頃、いよいよ小学校に入学となります。
学童期前半(低学年)。
小学校へ入学。
一応、鉛筆の正しい持ち方は小1の授業でやりますね。
ここまでの手指の発達は、
・腕を動かす
・手を動かす
・うまく握る、うまく離す
・握って書く
でも、
まだまだ「つまむ」機能は未発達。
・ボタンつきのシャツは着れない
・くつひもは結べない
・はちまきひとりでできない
指の動かし方、使い方はまだまだ。
指の力も足りない。
1年生とは言ってもこの前まで年長さんだったんだから、
すぐには「つまんで持つ」なんてできない。
何も言わずともある日突然に、
「つまんで持つ」
ようには当然ならない。
とはいえ、
筆記用具を握って持っていても、
ひらがなも漢字もそこそこ書けるし、不便はない。
握って持ったままになる。
小学校に入ると月日が経つのは早いもので、
あっという間に1年、2年。
シャツのボタンができるよう練習し、
はちまきをひとりでつける練習をし、
小3小4くらいには、そろそろ靴ひも結んでみるか?
とか言ってるかもしれない。
だんだん発達してくる指先の機能。
ここらへんでもまだまだ発達段階。
でも。
鉛筆の持ち方なんてどこへやら。
漢字覚えて、算数覚えて、学校での集団行動や決まりごとなんか覚えていき。
毎日の宿題や家庭学習、部活や習い事に追われる生活…。
筆記用具をつまんで扱う訓練を、
特別に受けないと正しい持ち方にはならないみたい。
大人になってもそのまま。
だから大人でも筆記用具を“握って”持つ人は多い。
泳げない人もいる。つまんで持てない人もいる。
この現象は「泳ぐ」と似ている。
・学校生活上で不便はない。
・特別に訓練を受けないとできるようにならない。
・大人でもできない人はいる。
そうか、「つまんで持つこと」は「泳ぐ」に似ているんだ。
大人でも訓練していない人は泳げない。
大人になっても訓練していない人は「つまんで持てない」。
「つまんで持つ」訓練を受けるかどうかは“任意”となる。あらら。
鉛筆の持ち方はどこへやら。
指先の発達はどこ行った。
長時間座っていられるのか。
『長い時間座っている』
という行動はどうだろうか。
座っていられる子ども、
座っていられない子ども、
これは性格から来るものだろうか。
発達段階で、自然とできるようになるのだろうか。
それとも習慣なんだろうか。
ある程度の時間、机に向かって座る。
机の上の物に気を向ける。集中する。
授業中に座っていられなくてウロチョロしてしまう友達ってクラスにいたけどね。
それでも勉強はちゃんとできる子どもだったりして。
発達や成長など特に問題がないのであれば、
学校生活の中でそれを学ぶのでしょう。
学校生活ができていれば長い時間座っていられるようになるのかなー。
長時間座るという行為は、
「訓練」や「慣れ」で、より良くできてくるようになるのかな。
もしも「長時間座って何かをじっくりと行う」ことを、
強制されない子どもがいたら、
やはりうまくできないのではないか。
個人差が大きいので断定は避けますが。
指先で筆記用具を扱う訓練をしつつ、
長時間座り、
じっくりと目の前の作業に集中する習字・書道。
運動は最重要項目。
習字をやっていなくても頭のいい子はゴマンといるし、
字がきれいでも勉強はあまり・・・って子どももいるのでしょう。
先入観なく、確実なことだけ押さえたいですね。
・幼児期の手指の器用さは発達に良い影響がある。
幼児の身体的不器用さに関する研究
幼児期でいい影響なら学童期でもいい影響あると思います。悪いってことはないでしょう。
医者になれとは言わないけれども勉強もほどほどにできていてほしい・・・
というのが多くの親御さんの願いでしょうか。
指先の器用さもいいのですが、「運動」と学力は関係あるのでしょうか。
・運動して血流が上がると学力に良い影響を及ぼす。
子どもの学力と体力の知られざる深い関係
体育最高。
この記事でうれしいのは「たとえ4分でも運動すると効果が認められる」というところ。
激しいスポーツでなくても効果はバッチリ。徒歩でも可。
筋トレでは明らかな違いは出なかった。
運動→勉強すると集中力アップ。持続する。
だそうです。
エビデンス的なモノがあったのはこの二つ。
探せばもっと出てくるかもしれませんが。本業ではありませんので(笑)。
大は小を兼ねるで、
大きな運動能(粗大運動、歩く・走るなど)は小さな運動(微細運動、つかむ・つまむ)をカバーするのかも。
不器用な子は、身体をいっぱい使う運動をするともしかしたら器用になるかもしれません。
まとめると。
血流が上がるといろいろといいらしい、ということ。
脳の血流が上がる身体を動かすような運動。
筋肉もつくし神経も発達。
指先は使わないよりも使うほうが器用になる。
そりゃそうだ。
当たり前の結果です。
まとめ。
習慣の力は侮れない。
週に一度でも、
「指先で筆記用具を扱い」
「長時間座り、じっくりと物事に取り組む」
そんな訓練をする習字・書道は、
発達には良い影響があるんじゃないなーと思うのは、
都合が良すぎるのかなー(遠慮がち)。
書道教室に「歩いて」通えば子どもの発達には最高です(笑)。
ここまでのキーワード。
・手先&指先
・筆記用具をつまんで持つ
・長時間座る練習
・運動は万能
・じっくりと取り組む習慣
次回は?
連載第2回目はここまでです。
次回は「学童期後半」のお話でーす。
しょうじ書道教室でした!