ふでれん!

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大筆のコンディションを保つポイントとは?

大筆のコンディションを保つポイントとは?

こんにちは、秋田市のしょうじ書道教室です。

今日は小学校の終業式ですね。

いよいよ春休み。そして進級!

先生!急患です!お願いします!

昨日、子どもたちの筆を洗っていると…

先生!お願いします!

重症患者が運び込まれました。

じゃーん。

水につける前の写真を撮れば良かった…。

3本の大筆。

2本は軽症でしたが、1本が重症…。

真ん中が重症患者。

軽症の2本、固まってしまった根本を触ると若干の柔らかさもあり。

この2本はなんとかなりそう。

まずは軽症の患者から。

・根本をもみ洗い

・流す

・もみ洗い

・流す

これの繰り返し。

根本もさほど膨らんでおらず、大丈夫そう。

この2本は以前と同じように使えるかと。

これで完了。

重症の1本。

問題はこちら。

根本がカチカチ!

けっこうな力でぎゅーっとやってもビクともせず。

これは…

治るかなあ…(汗)

基本的には水で根本をもみ洗いです。

しかしこれだけ固いと…

カッチカチやぞ!カッチカチやぞ!

(;`д´)くやしいですっっ

5000円の大筆…。

もったいないな…

みんなお金持ちなんだなー。

禁断の秘技、発動!

まあ、なんだかんだで子どもたちの筆を洗って10年近く。

1年間のお稽古はだいたい40回(40週)。

1週で子どもたちの筆が80人分とか90人分とか。

1人が使う筆は2本。

大筆+小筆で160本とか180本とかになる。

160本×40週で、6400本。

年間6400本洗っていればいろんなやり方が身につきますって。

・固まった外側からじわじわほぐす方法。

・根本をコロコロ転がしながらほぐす方法。

・穂の毛をキュッとまとめて根本だけを集中的に動かしてほぐす方法。

私が個人的に開発した秘技を総動員させてなんとかかんとかほぐしました。

大筆のコンディションを保つポイント

こまめに洗うことが一番いいのですが、

それもなかなか…という方もいるでしょう。

普段の使い方次第で、ある程度のコンディションを保つことはできますし、大筆の寿命もかなり違ってきますよ。

普段使っているときから気を付けたいポイントとは!

ここらへんに気をつけると、大筆はより使いやすくなるかなー。

とはいえ、ここは初心者向けサイトですから、

ベテランの方で自分なりの方法がある人はスルーしてくださいねー。

  1. その日使い始めるとき、書いている最中、しっかり根本まで墨を含ませる。
  2. 筆の穂全体をならす。何度もならす。
  3. 書いている間も筆先だけをならすのではなく、時々は穂全体に墨を含ませてならす。
  4. その日使い終わったら筆の墨をすいとり紙などで拭き取る。
  5. 水を少し含ませてからまた拭き取る。
  6. 次に使うときは、再びしっかりと根本まで墨を含ませる(1に戻る)。

(そもそも根本まで墨を含ませないのはもちろんダメ!)

慣れた人にとっては当たり前のことでしょう。

しかし、私がお稽古中に注意深く生徒さんたちの筆の扱い方を観察すると…、

この当たり前ができていない。

要は、なるべく根本を固まらせないようにすることと、

いつでも穂の全体をよくならすということ。

これをおろそかにしている人は多いです。

何度も何度も筆の穂を全体的にならすことで穂の動きはスムーズになります。

筆先だけが揃っていても筆はスムーズに動きません。

根本に滞留している墨を、循環させるようなイメージ。

墨を、

根本→筆先→根本→筆先

と、循環させる。

それには筆の根本を動かし、筆先も動かす。

そうすれば、そうそう根本が固まることはないかと。

使わずに2週間も3週間も過ぎてしまえば、もちろん固まりますが。

そのあたりを気をつけて、大筆を使ってみてくださいね。

筆の管理も腕のうち!

しょうじ書道教室でした!

(最終更新:2018年3月26日)1690 Views
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