こんにちは、秋田市のしょうじ書道教室です。
秋晴れですねー。
朝夜は寒くなりました。
「普通の字」ってなんだろう。
書をやっていると時々出会う言葉。
「普通の、きれいな字を書きたい」
「私、普通にしか書けない」
この「普通」って、なんでしょうね。
普通ってのは、まあ普通なんだろうけど。
・クセが無く、どこを見ても不自然なところがない。
・起筆も普通、収筆も普通。
・どこを見ても自然にまとまっている。
・安定している。
・整然としている。
よく聞く言葉なんだけど、これという定義のない言葉。普通。
個人的にはこれ。
個人的に思い浮かぶのは、
楷書なら「孔子廟堂碑」みたいな感じかなー。虞世南(ぐせいなん)さん。
ちなみに楷書を完成させた初唐スーパー3(←今考えた)がこの御三方。
①欧陽詢(おうようじゅん)・・・『九成宮醴泉銘』(きゅうせいきゅうれいせんめい)
②虞世南(ぐせいなん)・・・『孔子廟堂碑』(こうしびょうどうひ)
③褚遂良(ちょすいりょう)・・・『雁塔聖教序』(がんとうしょうぎょうじょ)
時代は初唐です。600年~700年のあたり。
日本では聖徳太子がご活躍の時代。
朝鮮半島南端の国々といろいろやっている頃ですねー。朝鮮半島南端の小さな国々、百済(くだら)・新羅(しらぎ)・伽耶(かや)。
そして朝鮮半島北部にひとつの大きな国、高句麗(こうくり)。
南端の国々は周囲をけん制しつつ、北部の強国・高句麗をなんとかしたいと考えていて(各自勉強のこと)。
北部の大国・高句麗は目障りな南端の国々を制覇したいと目論むものの、大陸(中国本土)の王国・唐からも目をつけられ・・・(各自!)。
私は歴史は苦手分野ですが、書道のことと絡めて歴史を追うと面白い。
ヒマがあるなら韓国ドラマとかどっぷり観たいなー(汎山は観てます)。
えーと。
なんだっけ。
本題。
カイショ三兄弟がこの3人で(←名前変えんな)。
①長男・・・欧陽詢(おうようじゅん)・・・『九成宮醴泉銘』(きゅうせいきゅうれいせんめい)
②次男・・・虞世南(ぐせいなん)・・・『孔子廟堂碑』(こうしびょうどうひ)
③末っ子・・・褚遂良(ちょすいりょう)・・・『雁塔聖教序』(がんとうしょうぎょうじょ)
で。
どれが「普通にきれいな字」か?と問われれば。
虞世南の孔子廟堂碑、
だと思うわけです。個人的見解。
初唐スーパー3の特徴。
ごくごく簡単に特徴など。
長男。欧陽詢の九成宮。
欧陽詢の九成宮醴泉銘、
見た目にはあまりわからないかもしれませんが、
『クセがすごい!』
なのですよ。
見ててもわかんない。書くと分かる。
「初唐の楷書」にしてはけっこうこねくり回す(あくまで個人的見解)。
転折とかそりとかね。けっこう小手先でやります。
あの“背勢”って不自然だよね。かっこいいけど。やろうとしないと出ない。
長男だからかなあ。ちゃんとしなきゃ!しっかりしなきゃ!
かっこがつかない!弟たちに示しがつかない!
みたいな背筋を反らせた姿が思い浮かぶ。(個人的見解。史実に基づきません)
↓ガイドが面白い。時代背景とか読めます。
ガイドって小さい冊子ね。
末弟。褚遂良の雁塔聖教序。
褚遂良の雁塔聖教序とか孟法師碑(もうほうしひ)とかは、
これはある意味簡単で。
パッと見で特徴が分かる。
末っ子だからかなー。ちょっと特徴つけちゃったんだよ。特徴を。
(兄ちゃんたち真面目だな。ちょっとこうしてやろっかな。へへへ。)
と少し茶目っ気があります(個人的見解!)。
特徴的=普通でない
(今回の記事のテーマ的にね)
なのですよ。
褚遂良は羊毛で書く。すると自然とあんな感じが出てくる。
誰でも書けるとは言いませんぜ。
もちろん兼毫筆で書いたっていい。
↓ガイド(解説ね)。
次男。虞世南の孔子廟堂碑。
虞世南の孔子廟堂碑。
これが普通の中の普通。
普通にしていても十分に美しい。
キングオブフツー。
次男は基本自由ですが。しかし三男もいるのでそれはそこ。
目立たないよう、普通にしておりましたとさ。
普通のたたずまい。普通にかまえて普通に書いて。
なんかおれ、特徴出すの恥ずかしいし。けどきれいには書きたいし。みたいな。
個人的見解ですけどね。いろんな意見があっていいんです。
私は孔子廟が一番リラックスして書ける。
何も考えずに没頭できる。
ただただ形を追うことができる。
↓ガイド。
最初に手をつけるなら孔子廟。
「ごく普通の、フツーにきれいな字がいい」
と書道をやりはじめたアナタ。
「独学でもやりたいからとにかく始めてしまった」
というアナタ!
楷書を学ぶなら虞世南の孔子廟堂碑。
おすすめしておきます。
できれば本とガイドをセットでお求めを。
このサイトは初心者向けサイト。
筆はなんでも構いません。値段は中くらいのもの。
古典の臨書ってね、やらないよりもやったほうがずっといいんです。
古典やらないと「義務教育流」が抜けないんです。
頭でっかちになって「結局まだ手をつけていない」にならないようにねー。
なんでもいいから書くのが吉。
うまいとか下手とかないんですよ。本当は。
あるのは、本来の文字の姿。これだけ。
結論。普通って難しいよ。
※初唐の楷書名人3人を3兄弟としたのは、完全に私のフィクションですよ。念の為。
※特徴をイメージ付けしたら面白く覚えられるかな?と思いました。
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56 Likes, 0 Comments – Fumito Shoji 東海林史 (@fumitoshoji) on Instagram: “#普通を普通に書く選手権, #普通ってなんだろう, #普通って難しい,…”
考えてみると一番難しいのが“普通”なのかも。
他人の評価は低いけど、書き手からしてみると一番難しいでしょ。
もしも、
あなたの字を見て、誰かが、
「なんか普通じゃない?」
と言っていたとしましょう。
書いた本人は言われるとちょっと傷つくことが多いですよね(笑)。
「普通」に見えるということは、
『おかしなところがない』
『悪いところがない』
ということなのでしょう。そのように書くのにどれだけ苦労したか!!(笑)
ですから堂々と胸をはりましょう。
えてして「特徴のある字」が評価される昨今です。
『普通の字』を目指して、がんばりましょうね。
(※展覧会作品の字とかはまた違いますよ。悪しからず。あれは発表会ですからね。)
大人の生徒さんもお待ちしております。
しょうじ書道教室でした!