ふでれん!

Read Article

【連載その3】学童期後半(高学年)編。

【連載その3】学童期後半(高学年)編。

このサイトについて

しょうじ書道教室

こんにちは、秋田市のしょうじ書道教室です。

連載第3回でございます。

さて、

連載第1回の幼児期編では、

ヒトが成長するに従って、だんだんと身体を自由に動かせるようになり、

手指は発達していきました。

そして第2回【連載その2】学童期前半(低学年)編。で、

成長するにつれだんだんと手指は細かい動きができるようになり、

それと同時に勉強内容・運動など学校生活もますます活発になっていきます。

そして連載第3回。

学童期後半(高学年)編。

このくらいになってくると、

「ひらがなが書けない」

なんて子どもはいなくなり、

「漢字覚えたか?」

「算数分かるか?」

「本を読んでるか?」

みたいなところが重要視されてきます。

小3〜小4は部活やクラブ、習い事も全盛期。

1週間のうち毎日習い事なんて子どもも。

・小1小2→体力つけさせたい!→水泳

・小3小4→いろいろやらせたい!→習い事たくさんやる

・小5小6→中学校を見据えて習い事を絞り込む→最後に残すのは進学塾or部活系

年齢によって習い事を変える。

そんな中でも「習字」は長く続けてくださるお家が多くてありがたい限り。

本当にいつもありがとうございます。

観察するという高度なこと。

習字には「お手本を見る」という行為がありますが、

「何かをお手本にして」

「それを自分で再現する」

という行為。

それには、

自分とはどこが違うのか、

何が違うのか、

それを考えたり、仮説を立てたりするわけです。

観察できるということは、

自分を客観的に見れるわけで、

なかなか高度な技術と言えます。

理科でも小3くらいから「観察」が始まりますね。

前の状態と何がどう変わっているか、

なぜそのように変わったのか、

変わったということは、何が原因だと考えられるのか、なぜそう思うのか。

を考えなければいけない。

観察とは、

わずかな情報から何を読み取るか、どんな違いに気づけるかという、

生きていく上でとても大事なスキルですね。

注意深く見れば、

ほんのわずかな表面的な変化だけでも、

結構なことが分かります。シャーロック・ホームズばりの名推理。

自分で立てた仮説が正しければ再現してみせる。

仮説の証明だってできます。

習字の場合、お手本を見る→真似して書く、

という流れなのでやっていることは至極単純。推理の入門編。

起筆を見れば筆の入れ方は分かるし、

線の太さを見ればどのくらいの力で押さえているかは分かります。

(分かるようにお手本書いていますしね(笑))

漢字の構造。

漢字の構造というものは、一定の決まりがあります。

難しい言葉でいうと「六書(りくしょ)」。

漢字は6種類の作り方で、できあがっていますよーという。

・象形(しょうけい)

・指示(しじ)

・会意(かいい)

・形声(けいせい)

・転注(てんちゅう)

・仮借(かしゃ)

この6つ。

ざっくり解説。

少し説明すると、

・象形(しょうけい)

これは聞いたことがありますね。

山の形から「山」の漢字ができたというやつ。

・指示(しじ)

これも象形みたいなもの。象形のように具体的でないやつ。概念。

この線より上にあるから「上」とか、

2つあるから「ニ」とか。

・会意(かいい)

これは象形文字と指示文字を組み合わせて合体させたやつ。

田んぼで仕事しているのが「男」とか。

チカラの意味は鍬(クワ)だか鋤(スキ)だか。

これもイメージしやすい。

小学生でも察しがつく。

習字をやっていると、習字の先生てのはだいたいこういうお話が大好物なので、

年がら年中、子どもはお稽古中聞かされる。

そんな環境なので、

カンのいい子どもならなんとなく分かっていく。

さらには、六書の「形声」なんてのも分かっちゃう。

形声(けいせい)というのは、

偏が意味

旁が音

でできあがっている漢字。

水に関係する“セイ”なら「清」、

天気に関係する“セイ”なら「晴」、

関連づけて覚えちゃう。

習字を習っていない小学生だってなんとなく分かってるんじゃないかな。

まとめ。

相変わらずも指先で筆を扱うよう注意されつつも、

学習のステージは確実に上がっていきます。

お手本を見て書く行為というのは、

書く本人が、

自分とお手本の差異をどのくらいみつけられるのか、

もっと簡単に言うと、

似ているけど違うところを何個見つける?間違い探しゲームなわけです。

ゲーム性もあり、動作として再現できるかどうか?というワークもある。

これを、

筆を指先で扱いながら、

視野全体で文字の形という大枠を捉えます。

書いた文字には意味や隠された謎があり…。

“そんなゲーム”

というのはいかがでしょうか。ナニコレ子どもにぴったり(笑)。

ここまでのキーワード。

・注意深く観察、差異の発見

・手本を見て、似せて書く(再現性)

・漢字の構造の理解

・手指の操作

次回は?

連載第3回目はここまでです。

次回は「中学生高校生」のお話でーす。

しょうじ書道教室でした!

Return Top